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April 26, 2017

裕福なアジア人のウェルネス、医療、及び高級リタイアメント・プロジェクトに対する需要

健康は宝である。先日発表されたレポート「Affluent Insights Luxury Study」によれば、裕福なアジア人消費者は自分をより大切にするようになっている。中国、香港、シンガポール及び米国の回答者が、不透明な政治経済環境を受けて自らの健康により注目することを希望していることを明らかにした。

そして、アジアのベビーブーマーがアクティブエイジングに備える中、デベロッパーはこのトレンドを活用しようとしている。

スタイリッシュなセカンドライフ
欧米では高級な「リタイアメント・ビレッジ」が一般的にみられる。ロンドンの真新しく洗練されたバターシー・プレイスや、ニュージ―ランドのベスレヘム・ショアズはその好例である。そして今、アジアがこの潮流に乗ろうとしている。1月末にシンガポールのバンヤン・ツリー・ホールディングスと中国の不動産会社であるバンカ(万科)が、中国本土のバンヤンツリー物件の所有と管理運営のための合弁事業設立を発表した。これはバンヤンツリーのウェルネスに関する専門知識を用いたシニアリビングとアクティブエイジング・プロジェクトの開発が目的である。

2016年末には、タイの不動産業者であるサンプレー・バンサライはバンサライで初の高級アクティブエイジング・レジデンスとなる「ザ・ハイツ」を発売した。この開発物件はゴルフコース、ヨットクラブ、医療施設に隣接し、敷地内にジョギングコースやサイクリングコース等の施設を誇っている。

JLLアジア パシフィック キャピタルマーケットチームのシニアリビング専門家 であるノーリーン・ゴーは「親子が遠く離れて暮らしこうした施設を購入可能な上流及び中流クラスが拡大している中国等のアジア市場では、ハイエンドのリタイアメントホームに確実な需要がある。しかしこうした開発は人口構成や対象となる買い手の文化等、需要にマッチしたものでなければならない」とコメントしている。

このマーケットが主流になるには思考も変化しなければならない。より伝統的な考え方では、リタイアメント・ビレッジに住むことを恥ずかしいと感じたり、労働コストが比較的安価なアジアでは自宅での支援が好まれる場合もある。

ゴーは高級リタイアメントホームのデベロッパーが顧客を確保するためには、優れた基本サービスを提供しなければならないと付け加えたうえで「シニア層のニーズは変化する。60代では非常に健康で活発でも、70代、80代で状況が急変する可能性がある。リタイアメントホームやビレッジは、清掃、食事、介護を問わずケアの水準を高め、サービスの範囲を拡大することができなければならない」と強調する。

健康を求めて
ウェルネスや医療ツーリズムもブームを迎えているセクターの一つである。グローバル・ウェルネス・インスティテュートによれば世界のウェルネス・ツーリズムの価値は今や5,632億米ドルを超えており、2020年までに8,000億米ドル超へと成長することが見込まれている。

JLLホテルズ&ホスピタリティ アジア パシフィック リサーチヘッド フランク・ソルジョバンニは、「ウェルネス旅行の魅了されているのは今や富裕層には限らず、中流階級のアジア人カップルや家族が、ウェルネス旅行を充実した時間を過ごせ、かつポジティブな体験を共有する素晴らしい方法と捉えている」と分析している。ソルジョバンニはまた「人々は忙しい生活から逃れるためにより平和的で健康な休暇を求めているようだ。また休暇をさらに充実させ、人生を向上させて帰宅したいと考えてもいる」と現在のトレンドを分析している。そしてアジアの新たな人気スポットにはベトナム、ラオス、及びカンボジアが含まれると付け加えた。

マレーシアのイスカンダルでは、不動産及び投資会社であるロウズレー・リミテッドが、専門病院、都市型ウェルネスリゾートとウェルネスリテール・サービスで構成される医療ツーリズムのワンストップ・ハブ、バンテージベイ・ヘルスケア・マレーシアの開発に50億マレーシアリンギットを投入している。

医療ツーリストを巡る激しい競争は、外国人患者がマレーシアやタイの割安な施設に流れることでシンガポールに影響を与えており、シンガポール人自身も治療を受けるためコーズウェイの向こう側に向かっている。

この結果シンガポールの民間ヘルスケア業者は関心をシンガポールの外に向けており、例えばパークウェイ・パンタイは、今年後半に中国西部で開業される予定の専有面積48,000㎡、350床まで提供可能なパークウェイヘルス成都病院を設立している。

こうした施設の開発や高級ヘルスケアに対する需要は、関連サービスや人的資本に波及効果を与える。コーポレートソリューション担当ディレクター兼ヘルスケア・サービスを専門とするジョン・モーテンセンは「心臓病、糖尿病やガンの一種等の裕福な生活がもたらすとされる疾患は専門的な治療やケアを必要とする。一方で医師不足が慢性化しており、中国では現在人口1,000人に対して医師が1.5名の割合だが、イギリスではその割合は2.8名、ブラジルでは1.9名である。また高齢者医療専門看護師も需要が高く、一人っ子政策の緩和により助産師や産科婦人科の需要も一層高まるだろう。医療研修施設や医科大学も見逃してはならない」と分析する。

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