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November 7, 2017

新たな調査によれば、来年世界中の公共セクター投資家が不動産資産への投資を拡大する見通しだ。

独立系シンクタンクのオフィシャル・マネタリー・アンド・フィナンシャル・インスティテューションズ・フォーラム(OMFIF)のグローバル公共セクター投資家調査によれば、回答者の4 分の1 近く(24%)が今後12 ヵ月間に不動産投資を増加する意向であり、37% がインフラ投資の増加を計画している。同時に、26% が利回りの低い先進国政府債への投資配分減少を予定している。

魅力は本物

JLL グローバル・キャピタルマーケット・リサーチ・ディレクター デビッド・グリーン・モルガンは、「公共セクター投資家の大半は、長期間安定した確実な収入源の確保を求めている。不動産とインフラは、この要件を満たすのに理想的だ」と指摘している。

公共セクター投資家には、中央銀行や政府系ファンド、年金基金まで幅広い組織が含まれ、OMFIF はその保有資産総額を33.8 兆米ドルと推定している。

従来、こうした公共セクター投資家の投資リターン戦略には国債利回りが重要な役割を果たしていた。しかし、低利回りやマイナスの債券利回りが長期化することでリターンが低迷しており、投資家は不動産やインフラなどが持つより高いリターンへの投資意欲を高めている。公共セクター投資家の不動産資産への投資配分が増加しているのはこのためである。

グリーン・モルガンは、「不動産資産は超長期的債務を抱える組織や、長期的な資産構築を求める年金基金、保険会社、政府系ファンド等にとりわけ魅力的だ」と述べた。

短期的な流行ではない

果たしてこの傾向は継続するのか。様々な市場で金利が反転しようとしており、そうなれば債券利回りの上昇、不動産やインフラ・プロジェクトの資金調達コスト上昇につながるため、不動産資産クラスの相対的な魅力が調整される可能性もある。とはいうものの、OMFIF の調査で協調された公共セクター投資家の不動産投資意欲は、持続的な長期的シフトを示唆するものである。

アトランタ連邦準備銀行の元頭取兼CEO、デニス・ロックハートは、「当面、新たな資産クラスへの配分増加が公共セクター投資家のトレンドとなるだろう。先進国の成長力は人口構成のトレンドや生産性向上の不調に抑制される。その一方で、緩やかな経済成長と低インフレ率による低金利が続く」とOMFIF の報告で述べている。

グリーン・モルガンも同様に、不動産資産の基本的な特徴が、投資の魅力を維持すると予想している。グリーン・モルガンは、「金融危機によりプロセスが加速したのは確かだが、不動産とインフラへの投資配分が増加しているというトレンドは過去20 年間継続しており、債券利回りが底を打つずっと以前から始まっている。公共セクター投資家がとりわけ予測可能で安定的なリターンをボラティリティに優先することがその理由である。収入は重要な優先事項だが、不動産資産の大きな長所はキャピタルゲインの可能性も提供する点だ」とコメントしている。

分散化の機会

不動産セクター、インフラセクター共に、先進国市場から新興市場まで幅広い投資機会が投資家に提供される。当然ながらそれぞれ異なるリスクを内包しており、透明度や質の高い情報の欠如が依然として大きな課題となっている。とはいうものの、グリーン・モルガンは投資機会の規模や種類は今後も拡大し続けると考えている。そして、金融危機後に視野を大きくグローバル化、分散化させた投資家は、投資機会をよりよくとらえられる位置付けにある。

グリーン・モルガンは、「例えば、先進国市場では不動産投資の性質が学生向け住宅や介護施設、データセンター、その他のニッチセクターへと拡大している」と指摘する。また「新興市場では投資増加のほとんどが伝統的セクターに集中しているものの、住宅開発は全市場で人気の高いセクターとなっている」とも分析している。

最終的にはガバナンスと透明度の向上が、新興市場における不動産資産の魅力を高め資金流入を増加させる鍵となる。また、より魅力的な価格も重要となる。グリーン・モルガンは、「現在、ほとんどのケースで価格に見合うリスクの高さを正当化できる投資機会がみあたらない」と指摘している。

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