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November 7, 2017

2017 年も世界で政治的な不透明感を巡る報道が絶えないが、上半期が終わろうとする中、不動産に投資機会を求める資本にあまり変化がみられない。

第2 四半期の世界の不動産投資額は1,500 億米ドルと、前年同期比2% 下落したものの、依然として過去10 年間の第2 四半期の平均値を19% 上回っている。第1 四半期と合わせた2017年上半期の投資額は、2016 年上半期の2,890 億米ドル並みに戻った。

先のフランス総選挙の結果もあってEUの将来についての懸念は払拭されたが、JLL グローバル・キャピタルマーケット・リサーチ・ディレクター デビッド・グリーン・モルガンは、今年後半は、地政学的影響が市場のセンチメントに大きな役割を果たし続けるだろうと述べている。

グリーン・モルガンはまた、「フランス総選挙の結果はポジティブだったが、Brexit 手続きの継続や、米国と世界の同盟国間の緊張の高まりが投資家の懸念材料となっている」と説明している。あわせて「一方、連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)は共に方針正常化と金融政策引締めの可能性を示唆しており、これも投資判断に影響を与えることになる。しかし、こうした課題は投資利回りがサイクルの底を打ちつつあるにもかかわらず世界の商業用不動産に対する投資意欲に影響を与えていない模様だ」とも分析する。

「今年後半も賃料とキャピタル・バリューが共に上昇する見通しであるため、2017 年通年の投資額の予想は6,500億米ドルを記録した2016 年並みに据え置く」

アジア太平洋地域

アジア太平洋地域の市場は静かな年明け後、第2 四半期に回復して取引額310 億米ドルと前四半期比6% 増、上半期の投資額は前年同期比13% 増となった。突出していたのは対中国投資で、第2 四半期を通じて80 億米ドルと極めて旺盛な投資が行われ、2016 年上半期比36% 増となっている。日本は、第1 四半期の投資額が前年同期比15%増と好調で、第2 四半期も前年同期比10% 増であった。これとは対照的に、シンガポールでは上半期の投資額が前年同期比3% 減となったが、第2 四半期には29 億米ドルの投資が行われた。オーストラリアは投資が激減した第1 四半期に比べ、第2 四半期の投資額が前年同期比94% 増を記録したものの、上半期の投資額は依然として前年同期比13%の減少となった。

欧州・中東・アフリカ諸国(EMEA)

対欧州投資は580 億米ドルと好調な第2 四半期に支えられ、上半期に前年同期比4% 増となった。これを率先したのはドイツで、上半期の投資額は史上第2位、前年同期比25% 増となった。オランダも上半期の投資額が史上最高の67億米ドルに達し、前年同期比53% 増であった。上半期のロシア(前年同期比31% 増)とスペイン(同51% 増)の取引増加はフランス(同16% 減)とポーランド(同26% 減)に相殺されたものの、英国市場は引き続き政治的懸念をものともせずに現地通貨ベースで前年同期比10% 増加した。

アメリカ大陸

上半期の投資額が前年同期を下回った唯一の地域となったアメリカ大陸では、第2 四半期の投資額は640 億米ドル、上半期の投資額は前年同期比6% 減の1,220 億米ドルであった。上半期の投資額が前年同期比10% 減の1,110 億米ドルに留まった米国が伸び悩んだ原因であり、同国以外の全市場は上半期の投資額が前年同期を上回っている。

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