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February 20, 2018

世界の人口の半分以上が都市部に居住しており、今や都市化が標準となっている。

この数は2030年までに60%へ上昇することが予想されており、都市化のさらなる進展により仕事や生活、学習、娯楽の方法が変化し始めている。都市や都市部の不動産は、この革命にどのように対応するのだろうか。

労働力の進化

JLLストラテジー アンド イノベーション事業リード ピーター・ミスコヴィックは「第4次産業革命では、ロボット工学や人工知能、ナノテクノロジー、モノのインターネットや自動運転車等の分野で新技術の発展が収斂し始め、21世紀を通じてあらゆる業界のあらゆる組織で事業を変化させる。機械化の進展により、旧来の多くの職務が人的スキルのみに依存しないようになり、世界中で機械と人が連携する生態系が拡大するだろう」と述べている。

世界経済フォーラムは今後10〜20年間に、現在取引業務に携わる労働者の40〜60%が人工知能や労働の機械化、あるいはスマートな認識力のある「考える機械」との置換、またはそのサポートを受けるようになると予想している。

職業の喪失や技術的補足のほとんどはオフィス内や事務領域で生じ、製造・生産セクターがそのすぐ後に続く。次世代ワークプレイスがよりデータ主導型のヒューマン・ツー・マシーン(H2M)型の連携へと移行する中、他のキャリア機会が新たに出現するか拡大することになろう。

未来の「デジタル人材」と称される次世代のスキルを有する専門家は、機械の管理、データと分析、そして新たに不可欠となる技術的スキルや能力についての専門知識を取得する責任を負うことになる。

働き方のパターンの変化

今日のグローバル事業の運用方法も、変化と変容の途上にある。

クラウド、モバイル、ソーシャル、およびデジタル情報や通信技術の発展は、チームが場所や時間を問わず通信・連携することを可能としており、高度に接続され地理的に分散化された、タイムロスのない労働力が形成されている。

バーチャルリアリティー(VR)、拡張現実(AR)やその他の技術的革新は、モバイル業務や遠隔業務にますます過激な変化を引き起こすことを約束している。

ミスコヴィックは「こうした先進的技術プラットフォームの台頭と、新しくダイナミックな事業や労働力のモデルは、組織にワークプレイスやCRE(企業不動産)ポートフォリオ戦略の再考を余儀なくするだろう。企業が成功するためには、今日とは異なる労働者の規模とミックスが必要となり、次世代の『デジタル』労働力の期待に応えるためには、異なった組み合わせの立地と業務環境―俊敏で柔軟なワークプレイスのネットワーク―が求められる」と語っている。

サービスとしてのワークスペース

こうした技術、労働とワークプレイスの収斂に直面する企業には、より柔軟な不動産ポートフォリオと効果的な運用が求められるようになる。

ますますモバイル化し、高度に接続され、しばしばオンデマンドの形態をとる労働力は、既に必要とされるスペースや施設の立地、スペースの設計、仕様、および管理方法に影響を与えている。

この結果、境界のない敏捷な企業不動産戦略やマルチノード型のワークプレイス網が注目を浴びるようになる。

ただしワークプレイスを供給する意義は、適正なスペースの量と融合を目指すことだけではない。先見の明のある企業は、既に施設管理を単なる建物の管理とはみなしていない。

ミスコヴィックは、「焦点は『サービスとしてのワークプレイス』へと移行し、企業は従業員がどこで業務に従事していても高度なパフォーマンスと『ハイタッチ」技術に対応した消費者型職場体験を提供する、『第三のプラットフォーム」の先進的技術を提供するようになる。例えば、優れた企業は伝統的なキュービクル主体の無個性なワークプレイスを、福利と生産性を向上させるより柔軟で技術に対応した、双方向型、没入型で、カスタマイズ可能な社会性のある職場環境へと変化させている」と考える。

スマートシティの創造

労働力とワークプレイスのトレンドは、都市にも新たな要求を突き付けている。

質の高いデジタルインフラやより持続可能な環境を求める企業や市民の声に応えるため、多くの都市が長期的技術および都市インフラ投資計画を開発・更新している。

こうした都市センターは、高帯域インフラへの投資やスマートビルの開発促進を通じて、技術的に劣る都市に対して、より高度なデジタルスキルを有するプロフェッショナルやそうした人材を雇用する企業を誘致するための競争上の優位を確保しようとしている。

ミスコヴィックは、「第2級や第3級の都市は、スマート・デジタル都市化インフラへの投資を増やすだけでグローバル都市インデックスのランキングを上昇させることができる。都市部のデジタルインフラは、明日のデジタル労働力を誘致・支援し、長期的な都市部の活力創造の鍵となる。都市にとってのデジタルインフラへの投資イニシアチブの重要性が明

確に高まっている」と説明する。

雇用の他にもスマートシティのコンセプトへの投資は、環境上の持続可能性を向上させる。都市は世界の二酸化炭素排出量の80%超を排出している。

都市部の建物の効率的改造や革新的なエネルギー管理プログラムは、二酸化炭素排出量を削減し、送電網の効率性を向上させることで、長期的な財務・環境上の節約と、社会的利益をもたらす。

ミスコヴィックによれば、こうしたよりスマートな都市景観へのインフラ投資のイニシアチブは、都市が次世代の「デジタル人材」や最も成功している企業を誘致することにも貢献する。

ただし、それにはより高いリスクも伴う。

ミスコヴィックは、「よりスマートな都市やワークプレイスは想像を絶する潜在的価値をもたらすものの、同時にデジタル障害やサイバーテロについての潜在的リスクが高まることになる」と指摘する。このため、官民の各組織は、しばしば同時に発生することが多いあらゆる潜在的自然災害やデジタル災害から回復できることを確保するため、「システムのレジリエンス」に優先的に取り組むべきである。

技術の発展は、あらゆる業界、およびあらゆるグローバル組織の次世代労働力や台頭する職業慣行に劇的な影響を与え、これらを変容させている。

これを受けて、全ての企業に将来的なデジタル人材を誘致する敏捷なCREポートフォリオ計画と革新的ワークプレイス戦略の策定が求められている。進化を続ける、分裂的なグローバル事業環境下で組織が繁栄し、存続することを目指すのであれば、そうした計画や戦略は業務上のエクセレンスと優れた投資リターンをもたらすことになる。

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