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November 7, 2017

地政学的・経済的変化と技術発展、レジャーのパターン変化、新規市場参入者がもたらす構造的シフトの組み合わせが、世界のホテル業界を変化させる。

成熟した国際的観光地が、依然としてホスピタリティ業界を席巻している。しかしとりわけ中東とアジアの新興ホットスポットもこれらに追随している。JLL の分析によれば、世界的な舞台で注目すべき都市は5 つのグループに分類され、それぞれがホテル投資家や運営会社に異なるリスクと機会を提供する。

世界の巨大都市

調査結果から、9 都市で構成されるエリートグループが総客室数の4 分の1近く、調査対象となった106 都市の市場を対象とした世界的投資の半分近くを占めて業界を圧倒していることが明らかとなった。

JLL ホテルズ& ホスピタリティ・リサーチのグローバルヘッド ラウロ・フェローニは「このグループでは、ロンドンとニューヨークがビジネスおよびレジャー活動の奥行きのある集積から、議論の余地のないリーダーとなっている。大規模で多様なホスピタリティ業界を支える能力があるため、2014 年から2016 年の間に全都市に対するホテル投資総額の30% 近い230 億米ドル超が集まった」と、このグループの現状を分析する。

急上昇中の巨大都市

同レポートによれば、東京、上海、北京、広州、バンコク、ドバイはそれぞれ成長都市として成功している。これらのホテル市場は非常にダイナミックかつ急速にグローバル化しており、世界の舞台で存在感を増して投資家への魅力を高めている。

JLL グローバル・リサーチ・ディレクタージェレミー・ケリーは、「深圳は業績指標が好調で需要が拡大していることから、『急上昇中の巨大都市』に加わる筆頭候補となるかもしれない。モスクワとソウルもその候補である。他方、最近このグループから脱落したイスタンブールとサンパウロは、こうした市場が地政学的な緊張や経済的逆風に脆弱であることを強調している」と述べた。

ゲートウェイ都市

ゲートウェイ都市は投資家の関心が高く、調査対象都市へのホテル投資の約25%を集めた。その市場は大きいものの、世界の巨大都市と比較すると小さい。

同レポートによれば、引き続き米国都市がゲートウェイ都市グループのほとんどを構成しており、ホテル客室供給数や米国全土に渡る需要の奥行きを現している。サンフランシスコ、シカゴ、マイアミがリーダーで、ダラスはここ数年の優れた業績と新規供給客室数の多さの両方の点から、活発な勢いのある市場として頭角をあらわし始めている。

ミュンヘン、ベルリン、アムステルダム、シドニーも投資集中度(都市のGDP 比の投資額)で優れた成績を収めた。とりわけシドニーでは2017 年以降に大量の新規供給が続くが、稼働率と需要もこれに劣らない見通しだ。また日本の大阪もゲートウェイ都市としての存在感を増している。

ニューワールド都市

これらの生活しやすい中規模都市に、ホテルセクターからの注目が集まっている。

ケリーは、「ヨーロッパではダブリンとコペンハーゲンで旺盛な需要と限定的な新規供給から二桁の客室当たり収入(RevPAR)増加率がみられ、これがダブリンの供給パイプラインの一層の発展を促している」と語っている。

デンバー、シアトルとバンクーバーもホテル投資上位30 位入りした。とりわけアメリカの2 都市では建設ブームとなっており、ホテル客室供給が急増している。

メルボルンでも供給が大幅に増加しているが、異例な稼働率の高さは、メルボルンが新規供給を十分吸収できることを意味している。

新興ホットスポット

同レポートによれば、世界で最もダイナミックなホテル市場のいくつかを中東や南アジア、東南アジアで目にすることができる。

サウジアラビアのリヤドとジッダの両都市は、ドバイに続いて今後数年間にホテル客室数を倍増させる見通しだ。メッカへの主要ゲートウェイ都市であるジッダは、宗教上の目的でイスラム教の聖地を訪れる観光客数の制限緩和の大きな恩恵を受けると予想される。ただし、両都市とも膨大な供給パイプラインを抱えていることが業績に影響している。

新興市場については、ケリーはホーチミンシティ、ハノイ、マニラが上位を占める東南アジアを指摘し「これらの都市は世界的な存在感を高め、グローバルなネットワークにより完全に取り込まれることで高度な海外直接投資が続き、急発展を支えるだろう」との見通しを持つ。

インドの目覚ましい社会・経済的成長は、国内有力都市のホテル市場の見通しを明るくしている。ティア1 都市に属するデリー、バンガロールとムンバイは力強い勢いを示しており、ハブ都市であるハイデラバード、チェンナイ、コルカタも同様だ。これらの都市では急成長が大量の新規供給や需要拡大と組み合わさっているが、今のところホテルセクターへの大規模な不動産投資はみられない。

一方、中国のティア2 都市の筆頭は成都である。需要牽引要素の面でよりバランスの取れた中国都市の一つだが、中国で最も大きな供給パイプラインを抱えているため、供給過剰のリスクは否めない。

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