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February 20, 2018

投資家が資産配分に際して安全な避難港を求め続ける中、イノベーション、人材、レジリエンス、インフラ、ガバナンス、透明度等の要素の重要性がますます高まっている。

JLLグローバルリサーチ・ディレクター ジェレミー・ケリーは、「投資家は資産の長期的価値を維持するために各都市の未来への備えに一層注目しているため、世界で最も確立された都市の一部が新しいトレンドの恩恵を受けている」と指摘する。

確立された世界の都市にはしっかりとした企業のプレゼンス、企業や個人に多様な機会をもたらすことができる市場規模、洗練された知識とイノベーションの基盤、魅力的なグローバルブランドとアイデンティティー、投資や貿易、観光のゲートウェイ機能といった共通の性質がある。

勝ち組・負け組

世界で最もグローバル化した首都圏の資産に対する投資家の需要は依然として旺盛だ。JLLが先日発行したレポート「都市比較インデックス(都市パフォーマンスの解読)」では、ロンドン、ニューヨーク、パリ、東京、シンガポール、香港と今年これらに加わったソウルを、世界の「ビッグ7」に挙げている。このうち、ロンドン、ニューヨーク、パリ、および東京は不動産投資先としても上位につけており、いずれも都市の現在の経済規模と3年間の商業用不動産への直接投資額を比較する投資集中度の上位30都市に含まれている。

この4都市以外では、2014年から2017年の間にロサンゼルス、上海、およびボストンが最も高い不動産投資額を記録した。香港、シンガポール、ソウルは上位7都市にわずかに及ばなかった。

ケリーは、「香港とシンガポールは2008年から2012年の期間中、常に投資先上位7都市に含まれていたが、投資過熱回避措置や市場のファンダメンタルズを理由に数年間は順位を下げている。これとは対照的にロサンゼルスは投資が好調となっており、また上海は国内市場の流動性の高さに恩恵を受けている」と分析している。

投資家のもう一つの主な懸念事項は市場の透明度である。「ビッグ7」のうち、ソウルは比較的透明度が低いことが不動産投資対象都市上位7位入りの可能性を阻んでいる。北朝鮮との非武装中立地帯からわずか56キロしか離れていないソウルは、政治的緊張継続の影響を最も大きく受ける。

一方でロサンゼルス、上海およびボストンは世界の不動産投資先都市の上位入りしているものの、トップグループに加わるにはグローバルなゲートウェイ機能やインフラ基盤が一部不足している。これらの3都市中、ロサンゼルスと上海はその規模、魅力、ソフトパワーと世界的な独自性からビッグセブンに肉薄している。ロサンゼルスの潜在力は、2 0 2 8 年の夏季オリンピック大会開催がもたらす刺激とインフラ改善への再注目によって一層強化されている。

ケリーは、「JLLレポートで示された成功する都市の1 0の必須条件は次なる勝ち組都市を模索する投資家にとって非常に有意義であり、以下で構成される」と述べている。

  1. イノベーションルートの育成

テクノロジー系新興企業や法人向けの研究開発センター等の独自のイノベーションルートを持つ都市は、不動産投資の機会を創造する。

  1. 隠れた人材の発見

企業の立地に関する意思決定は、多様な人材プールの存在に牽引されており、これには大卒者のみならず、職業的スキルと専門的スキルの組合せも含まれている。

  1. インフラ投資

都市のインフラ基盤は、グローバル経済にどの程度参加できるかの決定要因とみなされる傾向が強まっている。

  1. 長期的思考

不動産投資家や企業は、将来的な資産価値の保全のため、環境上の持続可能性やレジリエンスに対応する都市に注目し始めている。

  1. 優れた運営

不動産市場は長期的な視野や計画の調整、都市が安定したパートナーとして行動する能力等に影響される。都市経営のニュアンス評価は、次に成功する都市や不動産市場の特定に不可欠である。

  1. 透明度

政府や都市計画作成者の間で、透明な不動産セクターは新規の投資や事業活動を促進するだけではなく、地域の福祉や包括性についての都市の競争力にも重大な役割を果たすという認識が広がっている。

  1. スマートシティ

資力豊富な都市政府は整合性のある分野において横断的戦略を構築し、スマートビルの開発機会を提供する。

  1. 負担可能な不動産コスト

企業は常に効率性を向上させ、また費用を節減するため割安な立地への移転を検討している。

  1. ブランドイメージ

評判は事業や人材、観光客の誘致の鍵であり、都市は革新的な不動産や印象的なスカイラインを活用してそのブランドや特徴を訴えている。

  1. グローバル化

グローバル化した都市は、国際的な投資家や企業からの注目度が高い。

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