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April 26, 2017

繁栄するのはどのような種類の住宅か?

ニューヨーク、ダラス、アトランタ等の米国の大きなハブ都市は、米国市場最大の世代となるミレニアム世代による住宅需要の急増の恩恵を享受するだろう。しかし、あらゆる種類の住宅が繁栄するわけではない。

JLLアトランタ キャピタルマーケットチームのヴィンセント・レフラーは「ミレニアル世代が住宅用不動産市場に最も大きく、かつ明確な影響を与えているのはその人口の多さによるものだ。非常に大きな需要が生まれる」と述べる。米国国勢調査局によれば、ミレニアル世代の人口は7,540万人と、2015年にベビーブーマーを超え、2036年に8,110万人でピークを迎える。

レフラーは「このブームはとりわけ世界的金融不況を通じて新築戸建てや多世帯住宅の供給が低迷したことを考えると大きな住宅需要を生むだろう。この需要増加は、確実かつ安定的な賃貸収入を創出し、投資家に安全で予測可能なリターンをもたらすはずだ」と付け加える。

多くの調査結果がミレニアル世代は短期的将来には自宅の所有を希望しているものの、当面は住宅を購入するよりも賃貸する可能性が高いことを示している。学費ローンの債務と不況による初任給の低さに苦しむミレニアム世代は、結婚や住宅購入といった高額支出を控える傾向があり、結果として賃貸住宅への需要が高まっている。これは仕事に関するモビリティや旅行を促進する付加価値を生んでいる。

郊外型イノベーションハブの中では、ナッシュビル、オースチン、デンバー、ローリー等の二級都市がより多くのミレニアル世代をひきつけるだろう。レフラーは「こうした都市は、より高い生活の質をもたらす一方、価格が割安となっている」分析する。また立地の優れた中古物件も賃貸収入を求める投資家に機会をもたらすと考えられる。レフラーによればこれらには「ミレニアル世代の需要増加に応える付加価値型アップグレードの対象として投資家が大きく注目している」模様だ。

フリーサイズはない
多数の調査で住宅に対する需要の高まりが示されているものの、こうした立地にあるあらゆる種類の住宅が好調となるわけではない。PwCのレポート「EmergingTrends in Real Estate 2017」によれば、「ミレニアル世代の嗜好の分析では、この8,300万人の人口群に選ばれる立地の要素として、密度、多様性、歩行性、及び乗り継ぎアクセスがあげられている」としている。

築古のアパートが集まるエリアはミレニアル世代をひきつけることはできないようだ。レフラーは「ミレニアル世代は当初可処分所得が少ないかもしれないが、その親の世代は-1990年代末から2000年代半ばまでの最高所得期間中に富と生活の質が大幅に向上した。結果としてミレニアル世代は親の世代よりも個室やより高級な内装に慣れている」とその理由を分析する。

ミレニアル世代市場セグメントはハイエンドのアメニティや独特な外観のアパートメントを好む。最近の学生向けの住宅開発でも、ミレニアル世代がより優れた住宅を求めていることが認められた。

例えばテキサス大学ダラスキャンパスでは、アパートメント型複合施設2棟の建設を開始した。このアパートメントはワンベッドルーム/ツーベッドルームが中心で、住居部分以外にもランドリールームや屋外レクリエーションエリア、オープン多目的スペース等が設置される。

ミレニアル世代は過去の世代よりも社交的なため、賃貸住宅はネットワーキングのニーズに対処するべきである。レフラーは、ミーティングルームやフィットネスセンター、また屋上ラウンジのある物件がより有利となるとしている。こうした住宅の賃料は割高となるものの、付加価値を提供できるアメニティが賃借人に予算増加を決断させると考えられる。

またミレニアル世代は最も技術的に洗練され、技術に依存する世代として、超高速光ネットワークや広域WiFiを提供する物件に魅力を感じているともされる。

大きさと立地のどちらを選択するか
建設コストの上昇により賃貸住宅建築が割高となるに応じて、テナントは大きさか立地かの二者択一を始めている。この結果、ワンルーム物件への需要が高まっている。アーバン・ランド・インスティテュートのレポートによれば、台頭するミレニアル世代に人気の都市で、若年層の住民のニーズに沿いすぎた住戸スペースを提供することにはリスクがあるとのことだ。同レポートは「アメニティが豊富な超小型ユニットばかりの建物は、ミレニアル世代が子育て年齢に達すれば魅力を失うだろう」と述べている。一部のデベロッパーはより大きな住宅ユニットの建設を開始して、子どものいるミレニアル世代が柔軟なスペースを作り替えられるようにしている。

この新たな職業人世代は異なった購入習慣やライフスタイルを有し、旧来の不動産モデルに挑戦している。米国経済が力強さの兆しを見せて雇用増加を刺激する中、増加するミレニアル世代は住宅需要を増加させ、その結果として投資家は米国住宅市場でより予測可能なリターンを期待できよう。

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