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August 2, 2018

大阪は魅力的な不動産投資市場として急浮上しており、東京から波及した投資需要や激増する観光客がこれを下支えしている。

2017年、大阪圏を対象とした商業用不動産投資は前年から35%増加して6,510億円(60億米ドル)に達し、2007年来最高となった。最近の取引としては、PGIMリアルエステートが東洋紡本社ビルを200億円(報道による)で取得した例や、日本リテールファンド投資法人が心斎橋GROVEを150億円で取得した例が挙げられる。JLLの調査によると、直近の四半期で前年比20%価格上昇している。

同地域が日本全体投資額に占める割合も、2016年の13%から2017年には16%
へと上昇しており、JLLのデータによれば4年間連続して増加している。これに対して東京のシェアは2016年-2017年に安定したが、2014年-2015年時は低下していた。

JLL日本 リサーチ事業部長 赤城威志は「東京の不動産に対する需要は引き続き旺盛だが、売却希望物件の『モノ不足』と価格高騰が大阪を含む地方市場へ投資家の視線をシフトさせている」と指摘する。

3月に発表された公示地価の結果からも市場の好調が確認された。2017年を通じて大阪の商業用地の価格は4.7%上昇し、これに対して東京は3.7%の上昇にとどまった。

テナント需要

大阪の不動産に対する旺盛な需要は、賃貸市場の好調に下支えされている。赤城は「近年企業収益が記録的な水準に達しており、テナント需要も旺盛。東京と大阪は同じ状況にある」との見解を示す。一方、大阪の優位性は今後オフィスの供給が限定的であることだ。東京のオフィス供給は今後3年間に合計約160万㎡となっているのに対して、大阪ではわずか60,000㎡である。

赤城は「東京の賃料は今年がピークとなり、来年からは下落し始める可能性が高い。対照的に、大阪では今後継続的に、賃料上昇が見込まれる。JLLでは大阪市の賃料が今年は6.4%上昇し、2019年には7.5%上昇すると予想している。大阪のテナントは空きスペースがないため、移転や増床が難しくなっているのが現状」と述べる。

オフィス以外の物件へ

大阪の台頭はオフィス市場だけに限らない。東京で夏季オリンピックが開催される2020年に4,000万人の外国人観光客獲得を目指す中、リテールやホテルセクターも回復している。訪日外国人観光客は2017年に前年比19.3%増の2,870万人に達した。

大阪のホテル稼働率は国内最高水準にあり、観光客がホテル、レストラン、および小売業者に対する需要を創出している。赤城は「実際に大阪のプライム・リテール・エリアの地価は日本国内で第2位の上昇率となっている」と指摘。上回っているのは北海道のみである。

これとは別に、「うめきたプロジェクト(JR大阪駅北再開発)」も第2期に突入している。第1期に竣工したオフィスビルには既にスタートアップ・インキュベーターやビジネス・アクセラレーターが入居しており、2024年前後とされる第2期竣工後には製薬会社やバイオテック企業の入居が予定されている。また、現在進行中の他のプロジェクトには「ミュージアムコンプレックスゾーン」、「グローバルコミュニケーションゾーン」を含め、中之島を芸術、文化、技術、および科学ゾーンに再開発する計画や、大阪港に近い面積390haの人工島である夢洲開発が含まれ、後者については大阪市が統合型リゾート(IR)整備を目論んでいる。

赤城は「今後、大阪市に投資家が注目し続ける中、賃料上昇とキャップレートのさらなる圧縮を反映して不動産価格はさらに上昇する」と予想している。

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