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February 20, 2018

さまざまなポテンシャルを抱えた日本の不動産市場

過去10年間アジア太平洋地域の不動産市場は重要性を増しており、日本、中国、オーストラリアが不動産取引の中心となっている。日本も市場規模自体はこの3年間さほど拡大していないものの、投資家の意欲は前向きである。例えば東京のオフィス市場は投資先としてトップ3位にランクインし続けてきた。優れた司法制度を有していることや、土地の所有権も認められていること、またリスクリワードが高いこと等が主な理由として挙げられる。

また、ホテル・ホスピタリティセクターについても、世界のホテルの不動産投資の半分を占める「グローバル・ジャイアンツ」と呼ばれる都市群の中で、東京は第1位にランクインしている。2017年のアジア太平洋地域におけるホテルへの投資額を見た場合、日本市場は第3四半期までの累計実績は昨年に比べ52%減となったものの、海外大手不動産ファンドの投資意欲は旺盛であり、第4四半期には大きな取引が行われると予想されている。

なお、近年ではオフィスやホテルといった従来型の不動産資産だけでなく、スポーツ・教育、医療機関、データセンター、セルフストレージ、高齢者施設といったオルタナティブセクターへの投資が増えていることもトレンドとして挙げられるだろう。

それではこれまで不動産投資の担い手として大きな存在感を示していた中国の、日本の不動産市場に対する投資の状況はどうなっているのだろうか。中国政府が提唱、推進する経済圏構想である「一帯一路」では、オルタナティブセクター、物流、医療、テクノロジーへの対外投資を推奨しているものの、ホテル・レジャー施設に対する投資制限を設けている。その結果、中国投資家による投資を控える動きも見受けられた。今後の市場への影響だが、2017年共産党大会が終了し、その動向については現在調査を行っている。近日中にレポートという形で発表できるものと考えている。

それでは、現在の日本の不動産市場は「買い」なのか、それとも「売り」なのか。2018年に向け、売り手、買い手、双方にとって好機であると考えられる。まず買い手にとっては、質の高いアセットを有利な借入コストで購入できる状況にあり、2020年のオリンピック/パラリンピックの開催をはじめとした観光客の増加など、大きなポテンシャルを抱えている。一方売り手にとっても、余剰資本の投資先として国内海外投資家の目が日本の不動産市場に向けられており、絶好の売り時期であるとも言えよう。

(著: JLL日本 水野 明彦)

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