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February 14, 2017

中国が人民元の為替レートにより大きな柔軟性を認めて世界を驚かせてから1年以上が経過し、対米ドルで1.9%と記録的な人民元安となっている。

中国経済について懸念する向きが多いが、通貨切下げは世界の不動産業界にとっては追い風となり、中国本土の投資家による国外不動産購入意欲を向上させるとともに中国の保険会社やその他の金融機関が現金の代わりに不動産を資産として保有することに関心を示すきっかけとなった。

2015年の人民元改革後、中国本土の投資家は不動産価格が米ドル高に連動する香港やさらにその先にある米国の不動産資産購入を加速させている。

2016年1-9月に、香港のデベロッパーであるウィーロック・アンド・コー(Wheelock and Co)は、カオルーン(九龍)の複合施設ワン・ハーバーゲート両棟の中国本土投資家への売却に成功している。11月には大手保険会社であるチャイナライフ(中国人寿)がウェストタワーを58.6億香港ドルで取得、深圳の億万長者、陳紅天氏の祥祺集団(Cheung KeiHoldings)が、イーストタワーを45億香港ドルで取得した。

JLL中国キャピタルマーケットチームのオスカー・チャンは「過去1年間に、中国企業は香港不動産に280億人民元を超える投資を行っている。多くの中国本土企業にとって香港不動産のみが国際的足跡の拡大を示すわけではなく、異なる通貨で評価される不動産を保有することの価値が認められ始めている」と最近の動きを分析する。

ニューヨークも中国投資家の主な投資対象であり、ソブリン・ウェルス・ファンドである中国投資有限責任公司(CIC)は5月にマンハッタンのニューヨークプラザに7億米ドルを投資、チャイナライフ(中国人寿)は同月、米国のデベロッパーであるRXRと共同でニューヨークのオフィスタワーを16.5億ドルで取得した。

JLL中国 インターナショナルキャピタルマーケットグループの ヘッド ダレン・シアは「中国投資家はクロスボーダー取引の経験を増しており、中国企業は世界最大規模の不動産市場における今年の最大型の取引のいくつかに関与している。外貨建資産の購入は、中国最大規模の投資家のポートフォリオ分散化に貢献する」とコメントしている。

またJLL中国東部 キャピタルマーケットのヘッド ジョニー・シャオは「海外資産の購入の他にも、中国の機関投資家は、主要商業ハブで価格上昇が続く国内不動産も購入している」と、海外だけでないトレンドがあると分析している。先月、デベロッパーであるソーホーチャイナ(SOHO中国)は、わずか5年前にズーヤン(住院)エリアで、18.9億人民元で購入した上海の浦東(プドン)地区のSOHOセンチュリープラザを、国華生命保険(Guohua LifeInsurance)に32億人民元で売却した。

JLLデータによれば、中国保険業界の保険料収入は過去5年間に2倍近く上昇しており、2010年の1.3兆人民元から2015年には2.4兆人民元となっている。

一部のアナリストは、中国人民銀行は年内に人民元が更に3%下落すると予想しており、保険会社やその他の金融機関は潤沢な資金に安定した投資リターンをもたらす収入源として不動産を選択している。

SOHO等のデベロッパーにとっては、こうした投資リターンを求める資金の増加は心強い兆候であり、北京を拠点とする同社は今週、稼働率が上昇し、サービスセクターの成長が投資家の関心を集め続けている上海で、更に3件の物件を売却することを期待していると発表した。

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