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March 19, 2019

未来の商業用不動産市場では、大型資産により容易にアクセスできるようになるかもしれない。問題は、投資家が建物全体を所有できない点だ。
資産を投資可能な規模に分割するトークン化により、土地所有者による不動産の一部売却という考え方が定着するかもしれない。不動産については、所有者が建物を持分に分割し、各持分は一定の価値を有するといった応用が考えられる。その価値はトークンで表され、トークンは売買できる。
既にビットコイン等のトークンが良く知られており、不動産市場を対象としたトークンも開発されている。
JLL Sparkグローバルベンチャーファンド アジア太平洋地域 リード アヌジ・ナングパルは「ビットコインやイーサリアム等のブロックチェーンに基づく暗号通貨は不動産取引の支払いや世界中の不動産に対するクラウド型投資の手段として実行可能だ。また、不動産投資信託(REIT)の持分に裏付けられた、被規制ブロックチェーン型暗号通貨の発行を目指すビジネスモデルも注目に値する」との考えを示している。
不動産投資家にしっかり根付くまでには至っていないものの、それも「時間の問題」と考えている専門家もいる。他業界では既にトークン化が取り入れられているからだ。例えばCrowdvillaは、消費者に会社のポートフォリオに含まれる別荘滞在に使用可能なトークン購入を可能としている。
すでに不動産専門の新しいトークンであるRealFuelが存在している。創設者ジュリアン・クワン氏は「トークン化と当初のコイン提供が業界に浸透する」と見込んでいる。
クワン氏は「現在アジアで保護された不動産 関連の権利を取得したいと考える投資家は、シンガポールや香港等の不動産購入に多額 の投資をするしかない」と説明する。トークン 化は、そうした投資の裾野を大きく拡大でき るポテンシャルを秘めている。

ブロックチェーン、慎重姿勢と大量採用

ブロックチェーンはトークン化を実現する要素の1つであり、不動産に革命を起こして資産評価の方法を一変させる可能性を含むと目されている。
最も単純な様式のブロックチェーンは、分散型データベースだ。取引を分散された安全な記帳システムに記録し組み込むことで、特定の当事者に支配されない時系列データの「チェーン」が作成されるのである。その価値は、銀行等の第三者を介することなくリアルタイムで取引の認証や追跡を行う能力にある。
ブロックチェーンは公的台帳として機能するため、理論上、不動産資産を表すトークンの所有者は争う余地がない。
しかし、トークン化の大量採用は実現しておらず、投資家は主に様子見姿勢だ。
ナングパルは「不動産は一般的にトークン化 された資産を考慮しないことや、一部の国々における規制が流動性の問題を生ずる可能 性があること等がハードルとなっている。不動産取引全体が、不動産管理会社、公益企業、銀行、不動産登記所、司法書士、不動産会社、弁護士、その他のアドバイザー等、多くの仲介業者に握られている。業界全体がトークンや ブロックチェーンを完全に信用し、広く使用するようになるまでには時間を要するかもしれない」と述べる。暗号通貨の過剰なボラティリティもマイナス要因だという。
しかし、このテクノロジーが速やかに、あるいはわずか5年以内に、浸透する可能性はある。その利点が変化を率先するという考え方だ。
クワン氏は「不動産投資家は、究極的にはトークン化がもたらすアクセス拡大や流動性向上の恩恵を受ける」と指摘している。

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