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米国経済の18%を構成するヘルスケアに、不動産投資家の注目が集まっている。

2017年は米国不動産にとって実り多い年となった。過去6年間に売買された価格1億5,000万米ドル超の医療オフィス物件7件中、3件が過去12ヵ月以内に取引されており、2017年は2件の医療オフィス(ベイラー・サモンズがんセンターとVAローマ・リンダ救急ケアセンター)が2億米ドル超の価格で売却された初めての年となった。

進行中の取引もある。先日ある州の年金基金が、12年をかけて構築した巨大な医療オフィスのポートフォリオを売却する意向を発表した。同ポートフォリオの17件の質の高い医療オフィスビルは7つの州にまたがった合計面積1,400,000ft²(130,064㎡)であり、いずれも評価が高く市場をリードする学術医療施設のキャンパス内に所在する。

業界専門家は、「同ポートフォリオには6億米ドルの値が付く可能性がある」と語っている。投資家が戦略拡大と耐久性のある利回りを追求し続ける中、持続可能な安定性を有するセクターへの注目が高まっている。ヘルスケア不動産は、類似の伝統的投資クラスと比較すると利回りが100bps高く、投資家の期待に応えることができる。

JLLキャピタルマーケットチーム ミンディー・バーマンは「外来施設の規模の拡大と、ヘルスケア業者が投資家の資本を受け入れるようになっていることが、機関投資家の投資機会を増加させている。外来ケアが拡大し、投資家の需要が成長を支える中、大規模な単独資産への投資機会供給が続くだろう」と指摘する。

過去20年間に外来患者数は倍増し、低コストの外来施設への移行の継続によりますます増加していることから、今後10年間にさらに20%の増加が予想されている。ヘルスケア支出は年率5%超増加する見通しであり、そのケアのほとんどが投資対象の多い救急医療施設で提供される。

JLLエグゼクティブ ヴァイス プレジデントスティーブ・レザースは「こうした要素がますます大きな投資機会をもたらしており、取引可能な新規供給が存在する」と述べる。

2000年代に入るまで大規模な投資家所有の外来施設がみられることはなく、ほとんどの医療サービスは病院で提供されていたため、医療オフィスは従来、資産クラスとして介護施設に後れをとっていた。

外来サービスやオフキャンパスの施設が増加するにつれて、第三者の資本がより一般的になっている。

今日、推定35,000件の医療ビルの83%が医療システムや医師に所有されており、その価値は約1.3兆米ドルとされる。

高齢化を支えるため医療施設の数が増加するにつれて、投資家所有への移行が進展し、貴重な新規供給がもたらされる。

そして戦略の拡大を続け、持続可能な安定性をもたらすセクターを求める国内外の投資家がこれに気づき始めている。

バーマンは「過去にも機関投資家や外国人投資家が病院や医療オフィスに関心を示すことはあったものの、現在の規模とは比較にならない。こうした買い手の多くは投資顧問会社のファンドやセパレート・アカウントで投資していたため、この資本プールはあまり目立っていなかった」と説明する。

ヘルスケア不動産に関心を示す外国人投資家の大半はカナダ人投資家だが、最近ではヨーロッパやアジアの投資家も関心を示している。バーマンはこのトレンドが拡大している証拠として、2016年に26億米ドルの中国資本が北米ヘルスケア不動産に投入されたことを指摘する。続けてバーマンは「外国の年金基金やソブリン・ウェルス・ファンド、生命保険会社等がヘルスケアについての理解を深め、安心感を高めるにつれて、医療オフィスビルは驚くほど魅力的な投資対象であると発見している。安全な投資がしたいが利回りと分散化も必要な投資家にとって、医療オフィスは非常に魅力的である」との考えを示している。

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