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November 1, 2018

世界初となる不動産取引所に資金が投入され、年内にも設立の可能性が出てきた。これは他の市場にとってのテストケースになるかもしれない。
国際不動産証券取引所(International Property Securities Exchange:IPSX)は、7月に欧州の投資家兼資産運用会社であるM7リアルエステートから大きな投資を受けたと発表した。
この種の被規制取引所としては初となるIPSXは、単独の商業用不動産資産を所有する会社の株式の上場と売買という商業用不動産市場投資への新たな道を提供することになる。
JLL チーフエコノミスト ライアン・セベリノは「これはリトマス試験紙の役割を果たす可能性がある。他の地域も後に続いて同じような仕組みを検討するかもしれない」との見解を示している。
ロンドンを拠点とするIPSXはEUの被規制市場として運営を開始するが、既に将来的に他の主要市場に拡大する意向を示唆している。
オルタナティブ取引所は、他の国や地域にも出現するかもしれない。
現時点で投資家が不動産へのエクスポージャーを確保するには、直接所有か伝統的なファンド投資を行わなければならない。一方、IPSXのモデルでは民間投資家や個人投資家が透明度の高い商業用不動産を抵当とする取引所で売買される株式にも投資できるようになる。
取引所のマーケット・メイカー会員が、リテールサイズの双方向の価格を継続的に提供する。
また、取引所は定期的な日中オークションを提供して流通市場の流動性を確保するという。

新たな資本と投資機会

セベリノは「これまでは一般的に上場不動産会社はより分散化されたポートフォリオを提供してきた。IPSXは単独物件所有会社の上場を容易にすることを意図している」と指摘する。
不動産所有者に単独物件を上場させるプラットフォームを提供することで、今までなかなか手が届かなかった、より広範で深みのある投資家層へのアクセス機会が提供される。また、オーナーには商業用不動産投資からの撤退における新たな選択肢も提示される。
投資マーケットにとってより大きく多様な資本へのアクセスは常に歓迎されるべきだろう。セベリノは「更に投資家は不動産ポートフォリオではなく個別の物件に投資できるようになる。いずれ十分な数の単独物件が上場されれば、投資家は希望するリスクやパフォーマンスにより近い、照準を絞ったポートフォリオを容易に構築できるようになるだろう」と期待している。

成功するのか?

最大の課題は十分な数の物件がIPSX上場を選び、投資家のニーズを満たす十分な市場規模とポートフォリオの選択肢が形成されるのか、という点だ。
IPSXによれば現在、プライベート・エクイティ不動産ファンド、ソブリン・ウェルス・ファンド、大手上場不動産グループや所有不動産の価値を現金化したいオーナーテナント等、幅広い潜在的発行体との協議が進行中であるという。
セベリノは「取引所が成功したならば、大手プレイヤーというよりはニッチ市場となる可能性が高いと思われるが、重要な役割を果たせるだろう」と期待を寄せる。

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