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August 14, 2017

エクイティ・ファンドや運用会社は、学生寮やデータセンター等のオルタナティブ不動産資産に対する投資を過去5年で3倍に増加させており、継続して不動産ポートフォリオ全体と比較して期待を上回る利回りを達成したオルタナティブ資産への投資機会を探している。JLLの「グレート・エクスパンション」レポートによると、2016年には機関投資家によるオルタナティブ不動産投資がオルタナティブ市場全体の41%を占め、2014年の倍近い水準となっている。

JLLグローバル・キャピタル・マーケット・リサーチ・ディレクター デビッド・グリーン・モルガンは「エクイティ・ファンドや運用会社がオルタナティブ不動産への投資を増加させていることは、このグループが不動産全般への投資配分を増加させている明確な状況を勘案すれば至極当然のことだろう」と述べている。

2017年上半期のプレキン・インベスター・アウトルック:オルタナティブ資産*によると、プライベート・エステート・ファンドは2016年6月までの3年間の投資利益率が年率換算14.9%と、あらゆるプライベート・キャピタル資産クラス中で最も高くなっている。ファミリーオフィスから保険会社、年金基金まで幅広い投資家を対象とした同調査では、回答者の93%が不動産はヘッジファンド、インフラ、プライベートデット等、他のあらゆるオルタナティブ資産クラスを上回り、2016年に期待通りないし期待以上の利益率を達成したと答えている。

REITが最大の投資家

不動産全般への投資配分が増加する中、JLLでは2012年以降オルタナティブ不動産に投資する上位5位の投資家がREIT、デベロッパー/所有者/運営会社、エクイティ・ファンド、運用会社、不動産事業会社である点に注目している。2016年のみでも、これら5つの投資家グループは市場に430億米ドルを超える資金を投入している。

中でも最大の投資家はREITで、2016年の投資額は134億米ドル超、その41.3%がデータセンター、33%が高齢者住宅施設を対象としている。学生寮、高齢者住宅施設、研究施設やデータセンターに最も活発に投資を行っているのは、それぞれアメリカン・キャンパス・コミュニティーズ、ウェルタワー、アレクサンドリア・リアルエステート・エクィティーズ、デジタル・リアルティ等の単独クラスのオルタナティブ資産に集中して投資を行う特化型REITである。

グリーン・モルガンは「不動産資産を求める資金のウェイトが増すにつれ利回りが下落し、投資家はますます選別的になっている。このような状況下において、オルタナティブ資産は投資家に例外的な価値をもたらす。ポートフォリオの分散化に加えて、オフィスやリテール・スペースといった伝統的な資産クラスよりも比較的割安にセクターへのエクスポージャーを提供するのである」と分析している。

過去5年間のデベロッパー、所有者、あるいは事業者との合弁による機関投資家の全体的な投資額は毎年増加しているにもかかわらず、この種の取引が機関投資家による投資全体に占める割合は増加していない。グリーン・モルガンは「これは、機関投資家が所有者/デベロッパー/不動産事業者の専門知識なしでこの種の資産を取得し、運営し、管理する能力を高めていることを示唆している」と分析する。

価格についての懸念

投資家は資金を投入しているものの、特に価格に注目して不動産の将来性への懸念を表明する向きもある。

しかし、グリーン・モルガンは世界的にみればこれらの資産の建設量が増えていると語っている。「このストックの一部が完成すれば、数年後には複数の大型取引が実現する可能性が高いだろう。不動産市場全体について、資金量がストックを上回っていることは明らかである。世界の投資家や大手年金基金がポートフォリオ配分拡張と不動産へのエクスポージャー拡大を求めているのは確かで、実際の投資には多少時間を要する可能性があると理解した上で不動産への投資資金を増加させている」と述べている。

JLLは現在の市場ファンダメンタルズは持続可能であると考えている。グリーン・モルガンは「過去7~8年間好調なパフォーマンスが続いているため、市場は調整期を迎える可能性があると考える向きがあるのは当然である。驚くほどの好調期は既に過ぎていると思われるが、依然としてほとんどの投資家がやや好調な賃料上昇とより控えめなキャピタル・ゲインで必要なリターンを確保している。2017年に世界の不動産の投資利益率が再び8~10%に達しない理由は見当たらない」と語る。

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