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May 15, 2018

ロンドンは英国のEU脱退(ブレクジット)の影響から立ち直り、2017年に世界の不動産投資先第1位の地位をニューヨークから奪回した。

JLLのデータによればロンドン投資はクロスボーダー投資家、とりわけ香港、中東とドイツの投資家の活発な活動に支えられて2016年の低迷から48%回復している。

2015年と2016年に首位となったニューヨークは、不動産投資先上位30都市中、第2位に躍進したロサンゼルスに次ぐ第3位へと順位を落とした。

市場ファンダメンタルズは好調

ロンドンは2016年、ブレクジットに関する国民投票を受けて投資家が様子見姿勢をみせたことから投資活動が低迷した。しかしこれは一時的な現象に留まり、投資家がロンドンやより広範な英国全体に対する信頼感を回復する中、同市の不動産市場は2017年に「ブレクジットの反動」の恩恵を享受した。

JLL英国キャピタルマーケット部門を統括するアリステア・メドウズは「ブレクジットの影響は予想を下回る。ロンドンの資本市場はファンダメンタルズが好調なリース市場と密接に関係している」と説明した。これは2017年に賃貸物件の稼働率が記録的に急上昇し、ロンドン中心部全体のオフィスのネットアブゾープションが1,150万ft2弱と、長期平均を約10%上回っていることからも明らかであった。

需要の継続により、ウェストエンドでは2007年来最高のネットアブゾープションが達成された。空室率も下落し、ウェストエンドとシティでは5%前後で推移している。シティから銀行が大量流出する事態は生じておらず、2017年も好調な稼働率が投資活動を下支えしている。メドウズは「市場を支えるもう一つの要因として供給パイプラインが限定的であり、厳しい開発制限は2017年のリースの3分の1近くが未完成の開発物件の予約であることを意味している。このトレンドは、リース市場が低迷した2016年以降、その動向を慎重に窺っていた投資家に大きな安心感をもたらしている」と語った。

ロンドンから告ぐ

ロンドンの市場ファンダメンタルズが好調なことは、投資家が他のグローバル都市と比較して有利な利回りを得られることを意味する。同市の賃貸借期間は平均10~15年と、多くの市場を大きく上回っており、英国の堅固な法制度と市場の透明度や流動性も魅力の一部である。

ロンドンの輝かしい2017年は国民投票後、英国ポンドが世界の主要通貨に対して割安となったことにも後押しされ、英国不動産の外国人投資家に対する相対的な魅力が高まった。JLLのデータによれば、外国人投資家は過去10年間常にロンドン不動産投資の半分以上を占めていたものの、2017年には投資活動の80%近くを構成した。メドウズは「とりわけ香港と中国本土の資本が急増し、流入資本全体の約35%を占めた」と指摘。これには、香港の食品コングロマリット李錦記による「ウォーキートーキービル」の13億ポンドでの買収と香港上場企業CCランドホールディングスによる「チーズグレーター」の11.5億ポンドでの買収という2件の大型案件の完了が含まれている。また、中東やドイツの投資家も活発な投資を行い、ドイチェ・アセット・マネジメント、ユニオン・インベストメント、デカ・インモビリエンの各社が大型買収を実施した。

主な魅力

2017年に最も多くの投資活動が首都のオフィスセクターに集中したことは驚くに値せず、流入資本全体の半分以上を構成している。しかし、メドウズは「学生用住宅等の他のセクターも『価値と持続可能な収入の源』として関心を集めている」とオルタナティブアセットの台頭にも言及。例えば12月には、JLLはロンドンを中心とした学生用住宅ポートフォリオを8億7,000万英ポンドでゴールドマン・サックスとウェルカム・トラストのパートナーシップである「iQ」に売却する取引を完了した。

それでは2018年のロンドンの見通しはどうだろうか。メドウズは「大きな変化は見込まれず、2018年も2017年に続いて国際的資本や有利な市場ファンダメンタルズに牽引されて力強い投資活動が予想される。外部ショックがなければ、ロンドンは世界第1位の地位を維持するだろう」と予測している。

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