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November 1, 2018

売上減速が数年間続いた香港のリテール市場が回復し始めた。テナントと投資家の両者に朗報となっている。
リテール市場では、主に中国による贈答品取り締まりと香港を訪れる中国本土からの観光客の減少によるラグジュアリー市場の減速が原因となって4年近く売上減少が続いた。
しかし、状況は刻一刻と変化しているようだ。
JLLの最近の調査によれば、年初来6カ月間のリテール総売上は前年同期比13.4% 増となり、国内・国外両方の小売業者の90%が2018年上半期に売上を増加させている。
その背景には中国本土からの訪問客の回復と、香港の株式及び不動産市場の好調に支えられた地元消費者のセンチメント改善がある。 JLLアジア太平洋地域 リテールチーム ジェームス・アサーソーンは「国際的な小売業者は香港に強力なプレゼンスを持つ必要があり、訪問者数が増加していることから、各ブランドは本部に店舗開設を求めやすくなっている。団体ツアーではなく個人旅行をする中国本土からの訪問者が増えており、こうした旅行者はショッピングだけではなく体験を求めている」と説明する。

小売業者に新たな機会

売上が増加する中、香港の小売現場は変化しており、土地所有者に成長戦略の変更を余儀なくさせている。
中国本土からの訪問者やラグジュアリー商品への需要などの伝統的な牽引要素が果たす役割もあるものの、今や香港リテール市場を牽引するのは1980年-1995年に生まれた「ミレニアル世代」や1995年以降に生まれた「Z世代」を対象とした中価格帯のブランドである。
セントラル、コーズウェイベイ、尖沙咀は依然として主に高級リテールのハブとなっているものの(ハードラグジュアリー・セクターは6月に前年同期比27.8%の成長を記録)、他のショッピング区域では値ごろなブランドの存在感が急速に増しており、今後はこれらが主なリース需要の1つとなることが予想される。化粧品も引き続き高成長セクターであり、百貨店やスーパーマーケットでもここ数カ月間商品売上が増加している。
アサーソーンは「消費者は求めている商品についての知識を豊富に得ており、買い物前にインターネットやソーシャルメディアで価格を確認している。どこに行けば最も有利な価格で商品を購入できるか、ブランドについて非常に詳細な調査をしているのである」と述べている。
この結果、ブランド側にオンラインとオフラインのチャネル間でのあらゆる価格差について完全な透明性が求められ、生き残るためにはパーソナライズされた商品やモバイル決済、店内でのエクスペリエンス等の付加価値サービスを提供しなければならない。
アサーソーンは「小売売上高が二桁急騰する中、実情を把握し、トレンドと足並みを合わせられない小売業者はリピート顧客を維持できない」と考えている。

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