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March 19, 2019

米国の不動産投資家がアジア太平洋地域に注目しており、米ドル高と利上げ圧力が新たな為替ヘッジによる投資機会をもたらしている。
多くのアジア諸国で、過去1年間を通じて米ドル建てで投資を行う投資家のヘッジコストが大幅に改善した。米ドル金利は今や16年ぶりに豪ドル金利にプレミアムを乗せた水準となっている。また、日本では米ドル金利と円金利の魅力的なスプレッドが更に拡大している。
JLLアジア太平洋地域 デット・アドバイザリー ヘッド ファーガル・ハリスによると「この傾向は市場における明確なトレンド」だという。
主な牽引要素は、各国中央銀行の金利政策に大きな開きが生じていることだ。米国では利上げが続く一方、中核的なアジア太平洋地域市場では金利カーブが比較的安定している。
米連邦準備制度理事会による追加利上げと米ドル高は、複数の理由からオーストラリア等の市場に影響を与えている。第一に、オーストラリアの銀行は資金調達の一部をホールセール市場で行っているため、米ドル金利上昇によりそのコストが一層上昇する。このため、オーストラリア準備銀行の金融政策が安定しているにもかかわらず、同国の銀行に融資利率引上げ圧力が生じているのである。
オフショアの銀行やノンバンクには、従来のヘッジコスト負担が低下しながらも比較的高利回りの市場に融資する機会が訪れている。
オーストラリア準備銀行に利上げの意向は認められないにもかかわらず、既に同国の一部銀行は住宅ローンの金利を引き上げている。JLLアジア太平洋地域 キャピタルマーケットディレクター ニコラス・ウィルソンは「日本は常に優れたヘッジ対象国であった。ヘッジの利益が拡大しているため、投資家が反応し始めている」と指摘する。
ポートフォリオ分散化を求める多様な米国不動産投資家にとって、ドル高は有利に働いているが、世界の投資家はとりわけ商業用不動産の債務に注目している。金利が上昇し始め不動産利回りが記録的な水準へ低下する中、よりリスクが低い投資戦略の魅力が高まっているのである。これを受けて、ハリスは「米ドルの貸し手にとってはまたとない機会だ」との認識を深めている。
米国人投資家からの関心が高まる一方、米国への投資が抑制されていることも確かだ。米国金利の上昇から、ここ数カ月間、アジア 諸国からの投資需要が弱まっている。
リアル・キャピタル・アナリティクスによれば、アジア太平洋地域の投資家は年初来米国に77億米ドルの投資を行っているが、昨年の金額は244億米ドルであった。
ウィルソンは「米ドル資金に新たな投資機会が認められるだろう」と予想している。
ポートフォリオ分散化を求める多様な米国不動産投資家とって、ドル高は有利に働いている。

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