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アジア太平洋地域の投資家は、次なる有力分野を求めてオフィスやショッピングモール以外の不動産に目を向けている。

世界中で記録的な低金利に直面する不動産投資家にとって投資収益の重要性が増している。需要はより優れたリターンをもたらす、今まで未開拓の分野へとシフトしている。こうしたオルタナティブセクターにはデータセンター、学生寮、トランクルーム、教育施設や養護施設等が含まれる。このような物件への投資にはハードルもあるが、高いリターンと長期的な安定性をもたらすことから、地域内を通じて関心が高まっている。

昨年、米国のプライベート・エクイティ企業TPGが、ホーチミン市に複数のキャンパスを有するベトナム・オーストラリア・インターナショナルスクールに1億4,000万米ドルを投資した。また、シンガポールのソブリン・ウェルス・ファンドであるGICは、フレーザース・プロパティー・オーストラリアと積水ハウスオーストラリアからシドニーの学生寮を4億豪ドルで取得している。

JLLアジア太平洋地域 COO兼キャピタルマーケット部門 オルタナティブス担当ヘッドロヒト・ヘムナニによると「アジア太平洋地域のオルタナティブ不動産市場は欧米と比較すると未熟な段階にあるものの、関心は急速に高まっている」という。

JLLが発表したオルタナティブセクターに関するレポートによれば、都市部の成長やインターネットの普及拡大、今後10年間に65歳以上の人口が1日当たり40,000人増加すると予想される高齢化といった、より広範なファンダメンタルズが需要を牽引する主な要因となっている。

高リターンの魅力

オルタナティブセクターは通常、伝統的な不動産よりも高いリターンをもたらす。そのレンジは様々だが、データセンター等のオルタナティブ不動産の想定利回りは東京、シドニー、シンガポールで5-8%程度となっており、伝統的なアセットクラスよりも健全なスプレッドを示している。

地域的な需要の原動力

魅力はリターンだけではない。安定性にも優れている。

ヘルスケア施設、学校、およびデータセンターのオペレーティングリースは20年以上に及ぶことが多い。市場変動の影響が軽微となり安定収入を提供してくれる。

当然ながら、投資機会は国によって異なる。ヘムナニは「教育施設や学生寮セクターは、オーストラリア、中国、インド、東南アジアで成長が見込まれる」との見解だ。また、高齢化が進む日本と中国では高齢者向け住宅市場が好調となるだろう。

ただし、市場の潜在能力は大きいものの、高い参入障壁が存在する点を忘れてはならない。ヘムナニは「典型的な例だが、ヘルスケア施設やデータセンターは各国で厳しい政府規制の対象となっており、現地法に従って管理するには大変な努力が必要となる。アジア太平洋地域において、様々なオルタナティブセクターが異なる成熟度にあるため、市場のファンダメンタルズと運営能力を理解することも課題となることがある」と注意を促している。

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