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April 26, 2017

「人材獲得戦争」は過去にないほど激化しており、業界各社が最も優秀な男女の人材の確保と維持を巡って争っている。不動産業界は依然として伝統的に「男性上位」の業界とみなされているものの、性別も含めて分散化された人材を登用する傾向があり常により優れた利益、投資リターン、及び生産性を確保することが証明されている。

しかしオーストラリアの有力不動産会社を対象としたアーンスト・アンド・ヤング(EY)の調査からは、業界の女性採用についての見解は一致しておらず、大きな収益機会を逸していることが示唆された。この調査では不動産業界は「厳しい転換点」にあり「国内の不動産会社の大半がダイバーシティについて法令を遵守することにとどまっており、真の『リーダーシップ』の理解に向かうことなく断片的な方針を示しているに過ぎない」と分析したうえで、真の分散化が成功すれば「利益拡大や投資家に対するリターン向上の水門が開かれる」としている。

豪州不動産評議会のケン・モリソンCEOは「ワークプレイスにおける性別のダイバーシティは事業上、道理にかなっている。一方で、不動産業界の男女平等達成に向けたアプローチはEYの画期的な調査結果が示すとおり、分断化されてまとまりがない」と語る。

人材派遣会社ファーガソン・パートナーズ・リミテッドが160社の不動産投資信託(REIT)を対象に行った調査では、取締役会に3年以上在任する女性が少なくとも1名いる投資信託の年間総株主利益成長率が、同じ3年間に競合他社を2.6%上回り、5年間では3.6%上回ることが明らかとなった。

それでは業界は問題に対処し、多様化した人材プールがもたらす機会を活用するべくどのような措置を講じているだろうか。「ダイバーシティはグローバル、地域、国内レベルでJLLの文化の重要要素であり、競争力を維持するために必要不可欠だ。また業界全体にとっても重要な課題である」とJLLオーストラリア人事ヘッド のルイーズ・ロシュは強調する。

倫理的文化を重んじることで知られるJLLは、人事面においてオーストラリアの不動産業界をリードしており、先日、有給育児休暇の増加、柔軟な勤務方針、及び優秀な女性人材を特定した従業員に対する報奨等、多数のイニシアチブや方針変更を導入した。

JLLオーストラリアのCOOであり、JLLのダイバーシティ運動の重要な支援者であるアドリエンヌ・レヴァイは、こうしたダイバーシティが企業文化の真の構成要素となれば、根本的に大きな違いをもたらすと考えている。

先日の豪州不動産評議会キャンベラ支部におけるダイバーシティ及びインクルージョンについての昼食会で、レヴァイは「多様化されたチームは問題解決について様々な視点や異なったアプローチによる恩恵を得ることができ、その結果より優れた業績達成が可能となり、ひいては事業の採算性が高まる。活用可能な人材プールのわずか一部でも取り入れないことで、事業はその潜在能力を実現できなくなる可能性がある」とコメントしている。

しかし、同時にレヴァイは、これは利益率よりも深い問題であると考えている。

「職場社会は変化しており、人々は職業人生を自分が望む生き方を反映した環境で過ごしたいと希望し、期待するようになっている。世界で最も多様化し、包含的な社会の一つとして、オーストラリア人は職場がオフィス外の文化を反映することを望んでいる。お客様は皆、その多様な顧客基盤のニーズに応えようと努力しており、これを支援するサービスの提供をJLLに期待している。よって当社自身が多様化した環境で運営されていなければ、真にクライアントの事業ニーズを満たしているとは言えない」と、レヴァイは述べた。

JLLはまた、不動産業界における男女平等を推進し、指導的役割につく女性を増加させる目的の「変化を許容する男性」プログラムを含む不動産評議会の業界横断的イニシアチブの主導者でもある。このイニシアチブは、レヴァイやJLLオーストラリアのCEOであるスティーブン・コンリーを含む経営陣を一堂に集め、個人、及び総合的なリーダーシップを活用して人材開発、世論喚起、及びアカウンタビリティを中心に性的平等を促進する内容だ。

レヴァイは、こうしたイニシアチブは不動産業界に最高の人材を誘致することで業界全体に貢献すると考える。

オーストラリアの不動産業界は内在する明確な問題に対処しており、真の平等の追及の道程は長いものの、その利益は否定できない。

EYレポートは「業界が案件のクロージングに注力するのと同様の積極性と集中力をもって性的平等を追求し、リスクのごく一部を吸収する、ないしは『信じて思い切る』ならば、大きなボトムライン上の利益を得ることができよう」と業界に期待を寄せている。

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