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April 26, 2017

JLLの新たな分析結果によると、都心部の駐車場の再開発を行うことでイギリスで100万人近い市民に住宅を提供することができ、国内の住宅危機を大幅に緩和することが可能であると示す。10,500台近い駐車スペースに、最大400,000戸の住宅建設が可能になる。

JLLイギリス住宅チームのニック・ウィッテンは「町や都心における自動車利用方法の変化は、現在駐車場専用となっているスペースが住宅開発の対象となり得ることを意味する」と、説明する。

今日まで、イギリスの住宅不足について、デベロッパーに使用されていない商業用不動産の住宅転換に関しては標準的な計画許可の省略を認めるオフィスの住宅転換「開発許可権」(PDR)といった政府イニシアチブによる措置が講じられてきた。2013年から2016年の間に、これにより10,000件の空室オフィスの開発提案が行われ、実施されれば85,000戸の住宅が提供されるはずである。

ウィットンはまた「これに類似した駐車場の住宅転用P3DR政策は、新たな住宅開発用地を創出可能としよう」とも述べている。

こうした駐車場の多くは、駐車スペースを犠牲にすることなく住宅開発を行うことが可能である。都市部における類似の転用例としては、ロンドンのモクソン・ストリート駐車場の上部に建設されたメリルボーン・スクエアが挙げられる。115台分の駐車スペースが、地下の95台分の公共駐車場に転換された。また、ケントのスワンレー・スクエアでは、面積3.5エーカーの広場が340戸の住宅に再開発されながらも、駐車スペースは当初の200台から345台分に増加した。

重要な点は当社レポートでも指摘している通り、駐車場の過半数が地方自治体の管理下にあり、イギリス政府は都市部の駐車場に約200,000戸の住宅を建設する権限を有するという点である。民間セクターも最大145,000戸の住宅が開発可能な駐車場を運営しており、鉄道会社は最大25,000戸の住宅に転換可能な用地を管理している。

こうした都市部における使用頻度の低いスペースを開放するには、「想像力に富んだ計画」が不可欠だ。

ウィッテンは「住宅危機を解決する単独の政策は存在せず、供給の増加には更なる革新が必要だ。一つ確実なことは、都心部で暮らすことへの需要が増加し続けると予想される点である」と述べている。

イギリスの人口は毎年約400,000人ずつ着実に増加しており、2030年までに7100万人に達すると予想されている。これに対処するため政府は先日、国内住宅建設目標を年間240,000戸から300,000戸に引き上げたが、平均的な建設数はその半分程度となっている。

ウィットンは「若手プロフェッショナル、学生、及び大学卒業後間もない層が雇用ハブや文化と娯楽の中心地近くに住むことを選択していることに牽引されて、都心部における新たな住宅開発ニーズは大きく増加している」と付け加える。

欧州において都市部の拡大に対処する都市では、使用されていない産業用・商業用施設の転用が一般的となっている。建物が密集するパリでは、割安な住宅を供給する緊急のニーズは旧政府用地や国有運輸用地の転用計画で対応している。これには旧国防省の建物を376戸の公営住宅に転ずる計画が含まれている。

一方アムステルダムでは、現在政府が店舗所有者に使用されていないスペースを住宅に転換するための助成金を提供している。そして欧州への移住者が増えることで、柔軟な住宅概念も生まれている。例えば、ベルリンやハノーバーでは、使用頻度の低い駐車場や屋上、利用されていない駅やオフィスに住宅を建設することを提案している。

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