Share

April 26, 2017

中国と日本が地域へのコミットメントを維持する中、民間投資の増加は時間の問題なのか?
ドナルド・トランプ大統領就任後最初にとった行動の一つは、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に対する米国の支持撤回であった。日本の安倍晋三首相がトランプ大統領にTPPに留まるよう説得する考えであるという話はあるが、どうなるのか現時点では不明である。

11月にペルーのリマで開催されたAPECのCEOサミットでは、中国の習近平国家主席がTPPに代わる地域のビジョンとして、中国主導の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を推奨した。RCEPは、現時点では南北米大陸は含まれていない。

習国家主席はまた、中国は域内住民により多くの機会を提供するべく、全アジア太平洋地域諸国の共通した発展を推進すると強調して、地域内における一層の市場開放を約束した。

JLLベトナムのカントリーヘッド スティーブン・ワイアットは「中国や日本が地域経済支援のため早期妥結に向けた動きを強める可能性がある。このことは、地域内における大型インフラ・プロジェクトに大きな影響を与える可能性が高く、民間資本による投資の地ならし効果も期待できよう」とコメントしている。

メコン地域についての計画
中国は日本同様、既にメコン地域のインフラ案件に数十億ドルの投資を約束している。メコン川は中国からミャンマー、タイ、ラオス、カンボジアを流れ、最終的にベトナムに達する。

政府資金によるインフラ・プロジェクトは初期段階においてはある程度進展しているものの、民間投資の不足に苦しみ続けている。異論の多いダム建設問題もあって、開発強化の努力は分断化されたものとなっている。

しかしこれは変化している。今年3月、中国の李克強首相がランカン・メコン協力首脳会議の初会合でメコン流域5ヵ国(タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)首脳と会談した。李首相はインフラや域内の接続性改善の資金として中国が100億元(15億米ドル)の優先貸付と最大100億米ドルの与信枠を提供すると発表した。

これは2014年のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に続く中国の直近のイニシアチブである。他の56ヵ国の支持を得た設立資本金1,000億ドルの同行は、アジア地域全体におけるインフラ開発の支援を目的としている。メコン流域5ヵ国はいずれもAIIBに加盟している。中国は、メコン川流域の開発も含め提案中の「一帯一路」ルート内のインフラ・プロジェクトを対象とするシルクロード・ファンドも設立した。9月には、第8 回日メコンサミットがラオスで開催され、安倍晋三首相が出席した。「日・メコン協力のための新東京戦略2015」の発表により、日本は既に2016年4月からの3年間にメコン流域5ヵ国のインフラ・プロジェクト支援に充てられる予定の7,500億円(68億米ドル)の三分の一を超える金額の拠出を約束している。

ワイアットは「こうしたイニシアチブはメコン地域にとって良い兆候であり、過去には遅々として進展が進まなかった同地域に対するインフラ投資の急速な展開を促す可能性がある」と期待を寄せる。

異論の多いダム建設
水力発電で地域経済を発展させる目的で、メコン川下流に11ヵ所のダム建設が提案されている。しかしメコン川委員会の2016年4月の報告によれば、こうしたダム建設はアジアの米どころとして知られる同地域の環境や経済に「悪影響」を与える可能性がある。

一方で世界銀行とアジア開発銀行( A D B )も、同地域のインフラ改善と貧困改善に独自の資金計画を持っており、ADBは1992年以降優先的インフラプロジェクトに1 1 0 億ドル近い資金を投入していると報告した。2 0 0 6 年から2 0 1 5 年の間にメコン川下流諸国を対象としたA D Bの2 7 0 件のプロジェクト中、163件がインフラ関連のものであった(エネルギー、情報通信技術、運輸、水道及びその他都市インフラ)。

これ以外にも、2010年にはより広域を対象としたASEAN全体の連続性子改善を目指して地域内のインフラ開発に大きく注目する内容のアセアン接続性マスタープラン(MPAC)が採択された。

ワイアットは「メコン川下流の不動産は、ASEAN経済圏の形成が勢いを増すにつれ、こうしたインフラ開発や貿易フローによる連続性の拡大の恩恵を受けよう」と述べる。ワイアットによれば数多い政府主導イニシアチブの中でも、中国の一帯一路プロジェクトは地域の不動産に大きな影響を与えることになるという。

中国政府は一帯一路構想においてミャンマー、ラオス、及びベトナムを通じたルートや中国の南アジア及び東南アジアへの開放を含む、海と陸のシルクロードに対するゲートウェイとしての中国南西部の重要性を強調している。

ワイアットは「今後、地域の開発及びインフラの改善を目指す複数の政府主導イニシアチブが計画されている。当社は同地域の将来を楽観視しており、民間投資が加速するのは時間の問題であると考えられる。メコン川流域はアジアの経済成長の新たなフロンティアであり、世界で最も急速に成長する地域となる可能性を秘めている」と結論づける。

Share

Never miss an update from The Investor.

Subscribe Now!