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November 2, 2016

JLLによれば、世界産業分類基準(GICS)に不動産という新しいカテゴリーが導入されることで、このセクターには短期的なボラティリティが生じる可能性があるが、中長期的にはプラスの効果をもたらすとみられる。

世界産業分類基準(GICS)の枠組みは、株式市場のパフォーマンスを示す指標を提供するため、MSCIおよびスタンダード&プアーズによって1999年に設けられた。

既に確立されていた「金融」セクターから不動産セクターを独立したカテゴリーに移す(ただし、「モーゲージREIT」は「金融」に残す)ことが初めて提案されたのは2014年11月のことである。この変更は2016年8月31日に実施される予定であり、新しいセクターがGICSに初めて追加されるという大きな意味をもつ。

JLLリサーチ・アナリストのレスリー・バクストンによれば、8月の変更後にREIT株価が見直される可能性があるため、短期的にボラティリティが高まるかもしれない。

バクストンはその理由として、「GICSの分類に不動産をセクターとして加えることには確固たる理由がある。投資家は不動産を広範な金融セクター内のサブセクターとしてではなく、別個の資産クラスとして見るようになってきていることと、GICSの分類の変更によってREITの価格が見直され、REITと直接の不動産価格との関係がより注目される可能性」をあげている。

またバクストンは「ポートフォリオのリバランスの結果、REITにさらに資金が流れ込み、REITが保有資産を増やそうとする可能性もある。また規定のため配分の変更が必要となったファンドによるポートフォリオのリバランスの結果、一時的なボラティリティの高まりも予想される。上場ファンドの方が資金調達をしやすくなれば、非上場のファンドから上場ファンドへのシフトも予想される」と、短期的にはボラティリティが高まるかもしれないが、中長期的には、GICS内でのシフトによってプラスの効果があると主張する。

またバクストンは「GICS分類の構造は、商品の開発方法を分類し、リサーチャーやジャーナリストの注意を集中させることで、機関投資家と個人投資家の両方の投資戦略に影響する。上場REITへのシフトの可能性によって、公開情報のレベルが高まり、これらの市場での透明度の改善に向けて一歩前進することとなる。金融セクターから不動産を分けることによって、不動産セクターの取引は、金融セクターではなく不動産セクター自体のファンダメンタルズに基づいて行われるようになるだろう。新しい不動産セクターは、低ベータでシクリカル、高配当利回りという特徴を持ち、直接不動産投資市場により近いものとなる」と期待を寄せる。

またバクスターは「単独の資産クラスとしての不動産のプロフィールが増すことにより、新たな特化した不動産サブセクターへの関心が高まることが予想される。そうした関心の高まりは、新たな特価した不動産サブセクターでの証券化や不動産セクターのIPOの増加につながる可能性もある。その結果、データの標準化への関心が増し、より正確なクロスボーダーの比較が可能になり、M&A活動が増えて、セクターの統合が進むかもしれない」と、新たな展開も期待できるとしている。

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