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November 14, 2016

不動産市場の情報開示の度合いを示す「透明度」は、日本の競争力を強化する取り組みの中でも中心的な要素だ。JLLが2016年7月に発表した「グローバル不動産透明性インデックス」では、日本は全世界で19位にランクインしており、前回2014年の27位から大幅に改善。アジアで最も透明度の高い不動産市場であるシンガポールや香港に迫る勢いだ。

今後日本がさらにランキングを上げ、上位グループに入るために改善すべき点は5つある。それは、1)市場ファンダメンタルズの質と量の改善、2)テクノロジーの活用による透明性の向上、3)売買価格の開示方法の見直し、4)サステナビリティの問題への取り組み、5)テナントに対する共益費の明細開示だ。中でも市場ファンダメンタルズ(市場データ)では、世界の主要な137都市中東京は58位と低い評価となっている。例えばオフィスストックに関しても、ニューヨークはデータを全て網羅的に把握しており、東京は中心部以外のデータの充実度は低い。さらにリテールなど他のセクターの情報量は極めて少ない。こうした市場データの質やアクセス、カバレージの改善が今後日本にとって非常に重要となる。

透明度の高い国々に共通した取り組みは、1)Collaboration(協力)、2)Competition(競争)3)Creativity(創造性)の3つのCに表される。はじめに「協力」の例を挙げると、パリではJLLを含む民間エージェント4社の協働により商業用不動産市場に関するデータベースが構築され、これに基づく市況情報が発信されている。またドイツでは、不動産連盟が情報開示にあたり、政府と不動産業界の架け橋を担っている。一方政府主導の取り組みを進めているのが台湾で、不動産に関する売買や賃貸データの記録が法制化されている。こうした取り組みの結果、不動産市場の情報が広く開示され透明度を向上させている。

競争も透明度向上の牽引力であり、ニューヨークでは不動産情報を提供する多くのエージェントが存在し情報提供の拡大に貢献している。そして創造性は新しいテクノロジーによるイノベーションの創出だ。例えば不動産データベースのクラウド化が各国で進められているが、それを軸として従来と異なる新しい協力や競争関係が生まれ、さらなる透明度の改善をもたらしている。

日本の都市力ならびに透明度を高めるには、これらの取り組みを進めていくことが重要であり、2020年の東京オリンピックは日本の不動産市場の透明度を証明する絶好の機会となるだろう。 (JLL日本 赤城 威志)

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